【編集部コラム】流行り廃れと青春時代の思い出(ミナきち)【第16弾】

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【編集部コラム】流行り廃れと青春時代の思い出(ミナきち)【第16弾】

どうやら最近「昭和レトロ」というものが流行っているそう。我々が血汗鼻水垂らして発行している「チェキポン」の5月号でもその昭和レトロにちなんだ特集を企画しました。
かくいう私も昭和54年生まれですので、昭和の物が脚光を浴びるのは嬉しい。
ということで、何かウチにあるものが今ならオシャレに使えたりとか、あわよくば価値がついてたりしないかなぁと邪な気持ちで掃除を始めたりしてみたわけなんですが、この昭和レトロというもの、やっぱり昭和の物でも結構前半のものが味があって人気が高い感じ。
昭和というのは実に64年も続いた長寿元号。その中でもいろんなものが流行り廃れが繰り返されてきたわけです。
で、昭和54年とかいう終わりかけのタイミングで生まれている私の元には中途半端に今風のものしか残っておらず、やっと乗れそうな流行りの波にも取り残されたかと掃除をしながら悲壮感に包まれてしまったわけです。

そんな中ゴロゴロと大量に出てきたものが。ダンボールを開けると青春時代にトリップする、若かりし頃情熱を捧げた「音楽」を象徴するアイテム。ひとつはレトロ、もうひとつは懐かしいながら今も活躍している対照的なものが出てきたのでご紹介。

それは、
・カセットテープ
・CD
のふたつ。
これに「MD」という物が少し混じってくるのですが、あまりにも流通的に短命だったため今回は割愛。

どうやらカセットテープはこの昭和レトロの波に乗り、古い音楽ショップなんかではよく売れているそう。
これがまた懐かしい。好きな曲だけを選んで、デッキのタイマー見ながら一生懸命録音。で、ジャケットに曲名書くのよね。ミスらんように、学校のノートなんかより神経張りつめてボールペンを握るわけですよ。曲名書いてアーティスト名書いて、最後の方にミスって絶望という人間模様がそこにあったわけです。書くのが苦手な人は、小さい文字だけ写せるシートみたいなんがあったな。
で、恋人には自分の好きな曲だけのテープを送ったりと、甘酸っぱい思い出がフラッシュバックです。

対してCD。これはまぁ、今も使われているメディアですから昭和レトロという分類には入らないのでしょうけど、カセットテープと同じ時代に昭和の音楽シーン全盛期を彩った思い出の品であることは間違いありません。
昔は音楽聴くならCD購入ってのがセオリーでしたから、音楽やってた私はとにかくCDを買い漁ったものです。好きなアーティストのはもちろん、音楽の勉強だと思って中古ショップで「ジャケ買い」なんかして。で、自分のバンドのCDを中古ショップの100円コーナーで見つけたりして、なんとも複雑な気分になったのを覚えています。

 

このCDがですね、整理してると出てくるわ出てくるわ。1枚3,000円ですよ?それが一体いくら分あるねんと、冷静に計算してみたらとんでもない額をCD購入につぎ込んでいたわけです。
でもね、プロアーティストのCDはまだいいですよ。好きなアーティストのものはコレクションですし、そうでなくても懐かしんで聴けたり、少額でも売れたりするし。
私の家から出てきたどうしようもない大量のCDの正体、それは自分が現役時代に自主制作でセコセコ作ったいわゆる売れ残りのCD。なんとも悲しい産業廃棄物。捨てるのはなんか忍びないし悲しいし、そもそもCDって何ゴミやねん?ってとこから問題です。意外に燃えそうな気もするが。

せっかくこの世に誕生したにも関わらず、作者本人からゴミ認定されるという結末。こんなに悲しい末路を辿る制作物がこの世にあるのだろうか。
しかしながら、思い出と情だけでこの大量のCDを置いておけるほど我が家にもスペース的な余裕がない。
ということで、この大量の産業廃棄CDの使い道を考えてみた。

1.猫よけ・鳥よけ
これは一番よく目にする活用方法。家の軒先にぶら下がってたりしますよね?しかしながらコレ、ほぼ効果なし。キラキラしたものにビビるというのは最初だけで、ものの数回で慣れてしまうそう。さすが動物も馬鹿じゃない。何より家の景観が悪くなるのでやりたくない。

2.フリスビー
お察しの通り、径が小さすぎて難易度ハードコア。

3.輪投げ
お察しの通り、穴が小さすぎて難易度ヘビーメタル。

4.恵まれない国の子どもたちに寄付をする
「遠くの国の有名なミュージシャンがみんなのために曲を作ってくれたよ」という名目で海外輸出。ただ、真っ赤なウソだ。寄付という名目でウソをつくのは詐欺だ。さらに言うと、現地でもボツでゴミ扱いされたら立ち直れないくらい心が折れてしまうという副作用付き。

5.俺が売れる
ということで行き着いた最善の方法が、「自分が売れる」ということ。
いやいや、売れなかったらCDが余ってるんですやんという屁理屈はシャラップです。人生は何度でもやり直せるのです。
私が今から仕事でもっと名を馳せ、「え、あのチェキポンのミナきちさんの作ったCD?欲しい!抱かれたい」みたいになればバンバンザイ。もし行列が出来たとしても、一人一人丁寧に手渡しするよ。で、金に困ってる後輩には「コレやるよ。金に困った時売ったら1万円くらいにはなるから」って、そっとこのCDをプレゼントしたい。「ミナきちさん、マジっすか。あざす」って涙ぐんでる後輩のノリスケの姿を思い浮かべたら俺も嬉しい。ちぇっ、想像しただけで目から汗が。俺も歳取ったな。

 

ということで、世の中に余計な産業廃棄物を出さないためには、私もしくはチェキポンが今よりもっと躍進するというのが大正解。もっと仕事頑張るしかないな。
そして売れないバンドマンたち、CDを作る際は身の程をわきまえて、在庫を抱えない適量を見極めて発注するようにな。音楽も仕事も、いつも「謙虚」でいることが大切だ。

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ミナきち

ベイダー卿と王騎将軍に想い焦がれる、チェキポン編集部の最年長。40歳は2度目のハタチと信じ、ナイスミドルへの道を邁進中。クセで収集するスターウォーズグッズでデスク周りは大渋滞。ギターとカメラを嗜む。

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