滋賀の「名物屋台」っていったらココでしょ!2選

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滋賀の「名物屋台」っていったらココでしょ!2選

滋賀で屋台って見たことある?
ラーメン屋、焼き鳥屋、クレープ屋、スタンドコーヒー。多様な形態で展開している「屋台」だけど、地域に根差した屋台を知りたい!という想いでまとめた滋賀の名物屋台。

まずは、滋賀で屋台といったら外せない2つのお店をピックアップ。

黄色いバンが目印! 老舗のホットドッグ

段々と吹く風も冷たくなってきた12月某日。

「滋賀では有名」「ソウルフードみたいなもんやで」という上司のことばを受け、[風月堂]のホットドッグに興味を引かれた滋賀在住歴10年超のわたくし。
生来の出不精をいかんなく発揮して未踏の地になっていた高島まで、重い腰を上げて、いまだ食したことのないその味を満喫しに行くことに。

うっすらと雪の積もる山々と紅葉の競演をたのしみながら、高島方面へ向かうこと約1時間。
そろそろ名勝・白鬚神社に差し掛かるというあたりで・・・・

あった!黄色い車!

道の駅「うかわファームマート」の道向かい、びわ湖側の路肩に発見。

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黄色い車が目印、と事前情報を仕入れておいてよかった。
念を入れて早めに出発したためか、どうやら一番乗りらしい。おもむろに車を降りて、黄色の車へと向かう。

中から出てきた店主はこちらを一瞥すると、
「ちょっと準備するし、明日まで待っててや」

何ともおちゃめな御仁である。

湖岸沿いのため、寒風吹きすさぶ路上にて、準備が整うのを待つことに。
早く着きすぎて、慌てさせてしまったかとちょっぴり反省。

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「写真撮ってもいいですか」

「男前に撮ってや」

などと会話しながら、キャベツを炒める様子を眺める。

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あれ、どう見てもフライパンじゃなくてバットだけど・・・。

きっとキャベツを炒めてるんじゃなくて、ちょっと温めてるだけなんだよ、だってバットじゃ炒められないもんね。
うん。そうに決まってる。

ホットドッグには、ウインナー・ハンバーグ・ミックスの3種が用意されており、今回はスタンダードなウインナーと二つの味わいを楽しめるミックスを注文。

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注文が通るとまず、ウインナーという呼び名の魚肉ソーセージを年季の入ったオーブンで軽くあぶり、次にパンに魚肉ソーセージとキャベツを挟み込み、備えつけのオーブンへ。
「マスタードいるか?」と聞かれたので、子どもと一緒に食べるので無しでお願いすると快く受けてくれた。

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こちらがウインナー(あれ、ソースがかかってないような)


こちらはミックス(あれ、こっちもソースがかかってないような)
 

出来上がったホットドッグをひと口。

パン、おいしい!表面サックリ!中はふわもち!普通のコッペパンに見えるのに何で!?
カレー味のキャベツうま!多すぎてこぼれた!たっぷり入ってるけど、味の邪魔をしてない!ほんのり香るカレーの風味が全体をまとめてる!魚肉ソーセージの塩気がまたいい塩梅!
と終始感動しっぱなし。

見た目はどこにでもありそうなホットドッグなのに、初めて食べる味のハーモニーに衝撃を受けた。

普段キャベツ嫌いの我が子たちも完食してしまう美味しさ!
「キャベツ食べられた~」という子どもたちにこちらも笑顔に。

しかし

事前の調べによれば、ソースがかかっていたはず・・・。
もしや、私たちが早く着きすぎて慌てた店主がかけ忘れたなんてことは・・・。
まさかね。

マスタードなしと関係があるのかないのかは不明。

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京都で創業して、46年ほど経つという[風月堂]。
昔は、瀬田川沿いや野洲川のそばなど15台ほどもあったという移動車も、今では大将が乗る1台のみになってしまったそう。
今の大将が店を受け継いでから8年ほど経つそうだが、現在後継者はいないとか。

冬は風が吹き込むため寒く、夏は50度にもなるという車内での作業は過酷だと言うけれど、大将はとても生き生きとしていた。

「ごちそうさま、めっちゃ美味しかったです」

と伝えると、

「そやろ!マスタード付けたら、もひとつウマいねん」

と店主。

そんなこと言ったら、次はマスタード付きを食べに来ないといけないじゃないですか。
商売上手っすね。くやしいけど、たぶんまた来ます。

これ、間違いなく「滋賀のソウルフード」って言っても過言ではない。

食べたことがない人は、1度は食べるべき。
「滋賀に住んでてウチを知らんなんてモグリやで」と、店主も言ってることですし。

年末年始は、京都の石清水八幡宮のあたりで出店しているそう。
近くに寄った際には、ぜひあったかホットドッグを。


風月堂

TEL 不明
住所 高島市鵜川(白鬚神社ちかく)
営業時間 だいたい9:00くらい~19:00くらい
定休日 月~金曜休
駐車場 店の横(道路の路肩にちょっとだけ停車スペースあり)

長命寺の麓で愛され続ける、憩いのたこ焼き屋

近江八幡は長命寺の麓、湖岸道路を彦根方面へ走ると目にとまるのが、一台の白い軽バン。
滋賀県民なら一度は目にしたことがあるのではないだろうか? 大きく「たこ焼き」と書かれた看板を掲げる車を。

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もはや湖岸道路の名物とも言えるこのたこ焼き屋さん、↓こんな宛名でハガキを投函しても届くというからすごい!

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聞くと今年で開業31年。

何とわたくし、たこ焼き屋さんと同年代。一気に親近感がわきますな。

先代が10年続けたところ、息子さんである今の店主が引き継いで21年になるんだそう。

強風と雪の日しか休まないという信念のもと、年間休日はわずか30日ほど。
生来怠け者な自分には考えられない・・・頭が下がります。

休むと常連さんから「生きてるか?」という電話がかかってくるらしく、うかうか休んでもいられないそう。

天候次第で営業できるかどうかが決まるので、前日からの仕込みはできないという。
毎朝、空を見上げ天気予報を見て、その日営業するかどうかを決定してから仕込みをするというのが昔からのスタンスなんだとか。

さて、肝心のたこ焼きはと言うと。

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シルエットは明石焼き風の半円形。
ザクザクのキャベツをたっぷり投入し、シャキシャキ食感を演出した、実に個性的な逸品。
表面のカリッとした感じといい、隠しきれないキャベツのビジュアルといい、見ただけで美味しそうなのがわかる。

しかも、学生時代に学校のそばの屋台で食べたような、そんな懐かしさすら感じる見た目に、すでに白旗。

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ひと口ほおばると、角のないやさしい味わいが口いっぱいに。

めっちゃうまー! あっつ!トロトロ!キャベツの食感たまらんー!あっさりしてるから何個でもイケるわ!びわ湖眺めながら食べたら最高やー!
 

「ほんまはマヨネーズ付けんと食べて欲しいねんで」

という店主の言葉通り、あっさりながらも深みのあるダシがふわっと香るので、ソースだけで十分楽しめる。

隠し味が入っているそうだが、「それは教えられへんで!」とニヤリ。
カリッと香ばしく焼き上げるので、食べ応えもバツグン。

いやー、まいった。美味しくて。

熱々のたこ焼きを味わっている最中に差し出された1枚の絵。

卒業式とおぼしき袴姿の女性の絵。一体なんでしょう…。

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「写真をコピーしたものかな?」と思って聞いてみると…、なんとこれは点絵(ドット絵?)なのだそう。

え、絵なの!?

0.1mmのペンで無数の点を打って書き上げるという神業のようなこの絵。店主がたこ焼きを焼く片手間に始めて身に付けたんだとか。

片手間でここまでなるってすごくないです!? もはやアート。

この絵のモデルは店主の娘さんだそう。
ほかにも何枚か娘さんを点で描いた絵を見せてくれた。
長年ここでたこ焼きを焼きながら、合間に娘さんの絵を描いているという店主の姿に何とも言えないロマンを感じる。
ちなみに、1枚仕上げるのに3ヶ月から半年はかかるんだとか。

しかしこのクオリティは素晴らしい。撮影画像では伝わりづらいけど、実物は本当に写真と見間違うほどの出来栄え。
これ、個展とか開けるんじゃないっすか?

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たこ焼きの味はもちろん、店主の人柄に惹かれて通う人も多いというのは言わずもがな。
中には京都から週2回、タクシーで通うお客さんもいるとか。

タクシー代、たこ焼きいくつ分になるんだろう…。

「たこ焼き買わんとしゃべりにだけ来る人も多いわ。ありがたいわ。そやし、カラダが元気でも声出んようになったらこの店辞める。」

という店主。
それ、マジもったいないです。

湖岸の風に吹かれ、びわ湖を眺めながら、BGMには店主の話。
これだけのトッピングがあればたこ焼きもいっそう美味しくなるのは間違いなし。

滋賀県民なら1度は行ってみるべきお店、味わうべきたこ焼き。

いつまでもこの長命寺の麓で、道行く人たちの憩いの場であってほしいものである。


長命寺の麓のたこ焼き屋

TEL
住所 近江八幡市長命寺町 長命寺ちかく(湖岸道路沿い)
営業時間 だいたい9:00くらい~
定休日 天気が悪くなければほぼ毎日営業
駐車場 白いバンの隣にちょっとだけ停車スペースあり

and more…

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hatchi

チェキポン編集部。大津市在住。コーヒーとビールと活字があればとりあえず生きていけます。今はもっぱら自転車にハマってます。

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コメント

TM

30年前、学生の僕は京都に住んでいました。天気の良い週末の午後はよく、オフロードバイクに乗って行くあても無くぶらりと出たものです。大原から途中越を通り琵琶湖に出、琵琶湖大橋を渡って…そしてついつい長命寺橋のたもとに停まっている軽ワゴンの所に来てしまうのでした。老夫婦が焼いてくれた熱いたこ焼きが冷えた体を温めてくれました。あれから30年、代替わりしてもまだ同じ場所でたこ焼き焼いているんですね。googlemapの航空写真に写っているのを見たときには思わず熱いものがこみ上げて来ました。30年。
30年前の夕焼け空に食べたたこ焼きの温もりが忘れられません。

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