- 草津市
教えて!昇吾先生!【第7回】「冬の乾燥肌」冬の乾燥肌がもたらす影響。原因~予防法 セルフケア以外のアプローチも
「最近、肌がカサカサする」「化粧ノリが悪くなった」というお悩みを持つ方は少なくありません。今回は、冬の乾燥肌が起こる理由と、セルフケアの方法やそれ以外のアプローチについても、銀座美容クリニック南草津院の廣瀬昇吾先生にお話を伺いました。


肌はなぜ乾燥するのか
――冬になると肌が乾燥しやすくなる理由を教えてください。
「冬季の肌乾燥には、複数の要因が関係しています。
まず、気温の低下に伴い空気中の水分量が減少します。これにより、角層からの水分蒸発が促進されやすくなります。
また、暖房器具の使用により室内の湿度がさらに低下することも影響します。一般的に、湿度が40%以下になると肌の乾燥を自覚する方が増える傾向にあります。
さらに、マスクの着脱による摩擦、過度な洗顔なども皮膚のバリア機能に影響を与える可能性があります」
――乾燥した状態が続くと、どのような影響がありますか?
「肌の乾燥状態が続くと、いくつかの変化が起こる可能性があります。
まず、角層の水分保持能力が低下し、バリア機能が弱まることで、外的刺激に対して敏感になることがあります。これにより、かゆみや赤み、粉をふいたような状態が生じることがあります。
また、乾燥により肌の柔軟性が失われると、小ジワが目立ちやすくなります。さらに、肌表面がごわついて化粧品の浸透が悪くなったり、化粧ノリが悪く感じられることもあります。
長期的には、慢性的な乾燥状態が続くことで、肌のハリや弾力性にも影響を与える可能性が指摘されています」

――家庭でできる乾燥対策について教えてください。
「はい、日常的なセルフケアは肌の健康維持において非常に重要な役割を果たします。具体的にご説明しましょう」
保湿ケアの基本
「乾燥対策の基本は、適切な保湿です。
洗顔後は時間を置かず、すぐに保湿を行うことが重要です。化粧水で水分を補給した後、乳液やクリームで油分の膜を作り、水分の蒸発を防ぐというステップが効果的です。
特に乾燥が気になる部分には、保湿力の高いクリームや美容液を重ね付けするのも良いでしょう。ただし、塗布する際は強く擦らず、優しく押さえるようになじませることが大切です」
環境の整備
「室内環境の管理も重要です。
暖房使用時は特に湿度が低下しやすいため、加湿器を使用して室内湿度を50〜60%程度に保つことが推奨されます。湿度計を置いて確認するのも良いでしょう。
また、入浴時には熱すぎるお湯は避け、ぬるめの温度(38〜40℃程度)にすることで、必要以上に皮脂を奪わないようにします」
生活習慣の見直し
「十分な水分摂取、バランスの良い食事、質の良い睡眠なども、肌の状態に影響を与えます。特にビタミンA、C、Eなどは皮膚の健康維持に関わる栄養素として知られています」
セルフケアの限界
――セルフケアで改善が難しい場合もありますか?
「はい、日常的なケアは予防や現状維持には効果的ですが、すでに生じている構造的な変化や、重度の乾燥状態に対しては、限界がある場合があります。
例えば、真皮層の水分保持能力の低下や、深いシワ、慢性的なバリア機能の低下などは、外側からのケアのみでは改善が難しいケースもあります。
そのような場合には、医療機関でのアプローチが選択肢となることがあります」

医療機関でのアプローチ
――医療機関ではどのような方法がありますか?
「医療機関では、患者さんの状態やお悩みに応じて、いくつかの方法があります。代表的なものをご紹介します」
ヒアルロン酸製剤による注入
「ヒアルロン酸は、もともと体内に存在する成分で、水分を保持する性質があります。
特定のヒアルロン酸製剤(例:ボライト)は、真皮層に注入することで、通常のスキンケアでは届かない深部に水分を補給するアプローチです。
※効果の持続期間には個人差があります」
水光注射
「美容成分(ヒアルロン酸、アミノ酸、ペプチドなど)を真皮層に細かく均一に注入する方法です。
当院では専用機器(HYCOOX)を使用しており、滋賀県内でも早期に導入した機器の一つです。
※注入する成分や深さは、医師の診断により判断いたします」
エレクトロポレーション(ケアシス)
「電気的な作用を利用して、美容成分を皮膚の深部まで浸透させる方法です。
トラネキサム酸や成長因子などの成分を用いることがあります。
※使用する成分は、肌の状態により医師が判断いたします」

「冬の肌は乾燥との戦いです。 冬の乾燥肌は、皮脂分泌の低下、角質層の水分保持機能の低下、外気の湿度低下など、複数の要因が複合的に関わって起こります。セルフケアでの対応が難しい場合、医療機関でアプローチするという選択肢がありますが、まずは、専門家による正確な診断を受けることが重要です。症状に応じた適切な計画を立てて一緒に悩みと向き合います。期間や費用についてもじっくり相談されるのがよいと思います。」

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