平安時代からの珍しい行事~粥占い
1月14日(土)、蒲生郡・八幡神社で行われた「田中の粥占い」に行ってきました。
「粥占い」は平安時代より行われている行事で、粥によってその年の収穫を占うものだそう。昔はどこの農村でも行われていたそうですが、今ではその数も少なく。けれど田中では、今も大事な村中行事の一つとし、7名の乙名(おとな)と呼ばれる長老衆が中心となり執り行っているそうです。
その珍しさに遠方より見に来られる方もいるそうです。
村の方にお話を伺ったところ、占い結果はおおむね神のお告げ通りになるとのことで、今年はどんな占い結果になるのか楽しみです。
粥炊きに用いるうるち米8升は、早朝より村の子供たちが米の寄進を受けに家々を回り集めたもの。
午後1時に苗村神社の宮司さんの下神事が行われ、いよいよ粥炊きへ。
粥が充分に炊けるまでの間は、焚き火にあたりお神酒やするめを頂いたり、昔の子供時代の粥占いのお話を聞かせて頂いたり。待つ時間をこうして談笑しながら過ごすのも、この行事の醍醐味なのでしょうね。
ようやくお粥が煮立ってきたところで登場するのが、三本の竹の筒。
早稲(わせ)・中稲(なかて)・晩生(おくて)を示す印のついた三本の竹筒が煮立ってきた粥の中へ掛け声と共に差し込まれました。それぞれの筒の中の粥の詰まり具合によって、今年の収穫を決めるのです。
炊き上がったご飯の中から取り出された竹筒は、おひつのご飯と共に毘沙門天へお供えされ、残りのご飯は熱いうちにおにぎりとして振舞われます。
このおにぎりがまた程よい塩加減と温かさで美味♪ 子供たちも大きなおにぎりを懸命に頬張っていましたよ。
雪が本降りとなってきた中、粥占いを前に余興が始まりました。
裸足で赤いたすきをかけた一人がおひつをかつぎ「そらそらそらそら」とお堂へと近付く・・・と、お堂にいる3人が両手を広げおひつを受け取ろうとしますが、お預けをくらいます。
3回半お預けされた後に4回目でようやくおひつを与えられた3人が、それぞれ自分のお盆へと豪快にご飯を盛るという昔ながらの楽しい余興に、一気に場が和みました。
余興の後は、いよいよ粥占いへ。
長老が順に三本の竹筒を割っていくと・・・
今年は中稲の竹にお米がぎっしり詰まっており、秋頃に成熟する品種の稲がよいとの結果が出ました。
ガスも電気もない昔ながらの占いだけに大変なことも多いように感じましたが、だからこその面白みや村の方々の温かみを感じられる、とてもいい機会となりました。
今では貴重な行事となっているので是非機会があれば訪れてみてくださいね。
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