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多賀大社 初春の舞「翁始式」を観賞してきました

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多賀大社 初春の舞「翁始式」を観賞してきました

2017年1月3日、多賀大社能舞台で祝言とされる初春の「翁舞」が厳かに行われた。

舞われる曲目が「翁」のため、多賀大社では古くから「翁始式(おきなはじめしき)」と呼ばれている。

当日は雨で傘が手放せない状態だったが、開始と同時に舞台裾から笛の音が境内に響き渡ると、どこからともなく人が集まり、舞台周辺は傘のかたまりができるほどの状態となった。ほどなく雨もやみ、一様にカメラを構えたり真剣なまなざしを舞台に向けていた。

「翁」は式三番ともよばれ、能・狂言とならぶ能楽を構成する芸能のひとつ。

古くは五穀豊穣を祈る農村行事であり、翁は集落の長の象徴、年配者が舞うのだそう。

上演の始まりからすべてが終わるまでには細かなしきたりがあり、鑑賞するにも一般的にはやや難しい。しかし、その舞がめでたいものであることは充分わかる。

老人の面はおだやかな相で、たくわえられた髭がやすらぎ感を与えてくれる。

品のある色調の装束や金地に松が描かれた扇、真綿のような真っ白の足袋。静の舞ながら、ときおり、ポンと大きく打つ蹴り音が何とも力を与え、周囲の空間を引き締める。笛や太鼓の音が絶妙に加わり、まさに神様の舞と言っても過言ではないはず。

カメラのシャッターの音さえ邪魔だと思わせるほど厳かな空間。初春の好き日に、心が洗われるひとときを体感できた。

能に興味関心がない人も一度は観て、感じてほしい。

福神の舞は新年ならでは、確かな何かを私達の心に与えてくれる。来年はぜひ。

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hatchi

チェキポン編集部。大津市在住。コーヒーとビールと活字があればとりあえず生きていけます。今はもっぱら自転車にハマってます。

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